クリニックを開業すると、社会保険と労働保険の手続きが一気に発生します。院長自身の医師国保への切替、スタッフ雇用時の健康保険・厚生年金加入、雇用保険・労災保険の成立届出など、やるべきことが多く、期限を過ぎると遡っての保険料請求や罰則のリスクがあります。
この記事では、クリニック開業時の保険手続きを時系列・様式別に整理し、2026年度の最新保険料率での試算例も交えて完全解説します。
開業時に加入・届出が必要な保険の全体像
| 保険の種類 | 管轄 | 適用条件 | 保険料率(2026年度) |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 協会けんぽ or 健保組合 | 法人事業所は強制適用。個人開業でも常時5名以上使用で強制 | 9.85% |
| 厚生年金 | 日本年金機構 | 健康保険適用事業所と同一 | 18.3% |
| 雇用保険 | ハローワーク | 週20時間以上勤務のスタッフが1名でもいれば適用 | 1.35% |
| 労災保険 | 労働基準監督署 | スタッフを1名でも雇用すれば強制適用 | 0.3%(3/1000) |
保険料は事業主と被保険者で折半(健康保険・厚生年金)または事業主全額負担(労災保険)です。
月々の保険料試算例(スタッフ5名、平均給与30万円)
| 保険種類 | 事業主負担(月額) | 被保険者負担(月額) |
|---|---|---|
| 健康保険(9.85% ÷ 2) | 約73,875円 | 約73,875円 |
| 厚生年金(18.3% ÷ 2) | 約137,250円 | 約137,250円 |
| 雇用保険(1.35%) | 約6,750円 | 約2,025円 |
| 労災保険(0.3%) | 約4,500円 | 負担なし |
| 合計 | 約222,375円/月 | 約213,150円/月 |
時系列: 開業からスタッフ雇用までの手続きフロー
労働保険(雇用保険+労災保険): 労働基準監督署へ「保険関係成立届」を提出。スタッフを1名でも雇用した時点で義務。
社会保険(健康保険+厚生年金): 年金事務所へ「新規適用届」を提出。法人の場合は必ず提出。個人開業で常時5名未満の場合は任意適用。
各スタッフの雇用開始から5日以内に、年金事務所へ「被保険者資格取得届」、ハローワークへ「雇用保険被保険者資格取得届」を提出。マイナンバーの記載が必要。
4〜6月の給与実績に基づき、9月以降の標準報酬月額を決定する「算定基礎届」を年金事務所へ提出。この届出を忘れると保険料が従前のまま据え置かれ、年末の精算が複雑になります。
労働保険の「年度更新」手続き。前年度の確定保険料を精算し、新年度の概算保険料を申告・納付します。労働基準監督署または金融機関窓口で手続き。
個人開業(院長1名+パート数名)のケース
院長1名+扶養内パート2名の小規模クリニックでは、社会保険(健康保険・厚生年金)の強制適用事業所には該当しないケースがあります。この場合:
- 院長: 国民健康保険+国民年金(医師国保への加入も検討)
- パート: 週20時間未満なら雇用保険の適用外。労災保険のみ適用
- パートが週20時間以上に増えた場合、雇用保険と社会保険の加入検討が必要
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保険料の算定基礎届や年度更新には、正確なスタッフの勤務実績と給与データが不可欠です。Medical Attend は、勤怠データを自動集計し、給与計算・保険手続きに必要なデータをワンストップで提供します。
