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調剤薬局のベースアップ評価料【算定要件・届出・対象職員】

⏱️ 約8分

調剤薬局でもベースアップ評価料(調剤ベースアップ評価料)の届出・報告に対応する機会が増えています。管理薬剤師や事務担当者からは「どの職員が対象になるのか」「届出の流れが分からない」という声がよくあります。この記事では、調剤薬局のベースアップ評価料について、対象職員・算定要件・届出から報告までの流れを、厚生労働省の資料に基づいて解説します。

調剤ベースアップ評価料とは

ベースアップ評価料は、対象職員の賃金改善を評価する加算です。調剤薬局では「調剤ベースアップ評価料」として、保険薬局の施設基準に組み込まれています。2026年度診療報酬改定では対象職員数の数え方などに関する疑義解釈も示されており(2026年7月30日公表の疑義解釈資料その11)、制度の理解と正確な届出が求められています。

対象職員

ベースアップ評価料の対象職員は、「主として医療に従事する職員(医師・歯科医師を除く)」です。具体的には薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、看護補助者、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、歯科技工士などが対象職種として示されています。専ら事務作業を行う職員(レセプト請求だけを行う事務員など)は対象に含まれませんが、調剤業務を補助する職員は対象になることがあるため、職務実態で判断しましょう。

算定要件と届出の流れ

算定には、保険薬局の所在地を管轄する地方厚生局への施設基準の届出が必要です。届出に際しては、対象職員の賃金改善計画書を作成し、計画どおりの賃上げを実施することが前提となります。届出後のスケジュールは、原則として4月に賃金改善計画書、8月に中間報告書、翌年8月に実績報告書の提出が求められます(詳細な時期は年度と算定開始時期により異なります)。

届出の際の注意点

計算の考え方

賃金改善率は、対象職員の給与総額(基本給または毎月決まって支払われる手当)に対する改善額の割合で計算します。改善額は職員ごとに差をつけることも可能です。計算に必要な給与データを勤怠・給与システムから集計できるようにしておくと、計画書・中間報告・実績報告のたびに手作業で作り直す必要がなくなります。

2026年度改定のポイント(疑義解釈その11)

2026年7月30日に示された疑義解釈資料(その11)では、改定後のベースアップ評価料について対象職員数の数え方や、改定前から算定している保険薬局の報告事項が整理されています。具体的には、改定前から算定している薬局では、令和8年8月に実績報告書と中間報告書の両方を提出する必要があるケースがあります。制度の読み替えは年度ごとに行われるため、最新の疑義解釈を厚生労働省のページで確認しましょう。

職員構成別の対象チェック

薬剤師

調剤業務に従事する薬剤師は対象職員の中心です。常勤・パートを問わず、調剤に携わる薬剤師は給与総額に含めて計算します。

事務・補助職員

専ら事務作業(レセプト請求・経理など)を行う職員は対象外とされます。一方、調剤業務を補助する職員は対象になる場合があります。職務実態で判断し、判断に迷う場合は管轄の地方厚生局へ確認しましょう。

パート・非常勤

対象職種であれば雇用形態は問いません。パート職員の賃金改善分も含めて改善率を計算します。パートの時給引き上げや手当新設の実績を、勤怠・給与データから集計できるようにしておきましょう。対象職員の洗い出しは、雇用契約書と業務内容を照らし合わせて行うのが確実です。

よくある質問

計画どおりに賃上げできなかった場合は?

中間報告・実績報告では計画との乖離が明らかになります。乖離の理由(採用状況・業績など)を整理し、翌年度の計画に反映させることが重要です。状況によって算定の継続可否に影響するため、早めに専門家や厚生局へ相談しましょう。

複数店舗を運営している場合は?

店舗ごとに施設基準の届出を行っている場合は、店舗単位で対象職員や賃金改善実績を整理する必要があります。従業員が複数店舗を兼務する場合は、所属と勤務実態に応じた取り扱いを確認しましょう。

賃金改善額に差をつけてよい?

厚生労働省のQ&Aでは、賃金水準が低い職員・職種に重点的に配分するなど、対象職員ごとに改善額に差をつけることは差し支えないとされています。配分方針を計画書に明確に記載しましょう。

準備すべき書類とデータの一覧

届出から報告までに必要になる主なものを整理しました。

よくある記入ミス

ミスを防ぐには、職員区分と給与項目を統一した集計表を1つ作り、計画書・中間報告・実績報告の3回で同じ表を使い回すのが効果的です。また、提出後に控えを保存していないと、翌年の実績報告時に突合できません。提出物は年度ごとにフォルダへ整理しましょう。

報告書の提出後も、翌年の実績報告で同じデータを使うため、集計表と提出物は必ず保存しておきましょう。

報告書作成を効率化する3つの工夫

集計表を共通化する

計画書・中間報告・実績報告で同じ職員区分・給与項目を使う集計表を1つ用意します。3回の報告で表を共通化すれば、数値を差し替えるだけで対応でき、転記ミスも防げます。

勤怠・給与データと連動させる

パート職員の勤務時間や賃金改善額を、勤怠・給与システムから抽出できるようにします。手作業のエクセル集計だけに頼ると、職員が増えるほど作業量とミスのリスクが増えます。

期限をリマインドする

計画書(4月)・中間報告(8月)・実績報告(翌年8月)の3つの締切を、スケジュール管理ツールに登録し、提出2週間前から準備を始める運用にしましょう。

計画書・中間報告・実績報告の提出物比較

3つの書類は記載内容が連動しているため、最初に作る計画書の職員区分・給与項目をきちんと定義しておくことが、その後の報告書作成を楽にするポイントです。

まとめ

調剤薬局のベースアップ評価料は、対象職員の正確な把握と、計画書→中間報告→実績報告のサイクル運用がポイントです。2026年度改定の疑義解釈も出ているため、最新情報を厚生労働省や管轄厚生局で確認しながら対応しましょう。薬局の規模にかかわらず、対象職員の洗い出しと集計表の共通化がカギです。担当者が変わっても引き継げるよう手順書をつくっておくと安心で、給与データの自動集計は報告書作成の負担を大きく減らせます。

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