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クリニックの事業承継・M&A【流れ・税務・後継者探し】

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開業医の高齢化が進むなか、クリニックの事業承継(後継者への引継ぎやM&A)は、経営課題として注目されています。承継の方法は、個人診療所か医療法人かで大きく異なり、税務上の取り扱いも一般企業と違う点があります。この記事では、クリニックの事業承継・M&Aの基本と、進め方のポイントを解説します。

個人診療所と医療法人で承継方法が違う

個人診療所の場合、診療所の権利義務は原則として承継されず、資産・負債や契約を個別に売買・引継ぎする形になります(医師会の資料による一般的な整理)。医療法人の場合、持分のある法人(出資持分が残る経過措置)と持分のない法人(社団型・財団型)で、株式・出資の譲渡や役員交代の方法が異なります。まずは自院の形態を確認しましょう。

事業承継の流れ

  1. 承継の目的・時期・後継者の候補を整理する
  2. 診療所・法人の価値評価(不動産・設備・のれん・患者数)を行う
  3. 後継者との条件交渉(売買価格・引継ぎ範囲・時期)を行う
  4. 契約(事業譲渡・株式譲渡・合併など)と必要手続きを進める
  5. 保険医療機関の指定・労務・債権債務の引継ぎを完了する

承継には通常数か月〜1年以上かかります。余裕を持ったスケジュールで進めましょう。

税務の注意点

一般企業の事業承継では、非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)が使えます。しかし日本医師会の資料によると、医療法人の持分は平成18年の医療法改正以降、経過措置的に存在する扱いとなり、この納税猶予制度の適用対象外とされています。医療法人の承継における税務は、個人診療所の事業譲渡と異なる論点が多いため、必ず医療機関に精通した税理士・専門家へ相談してください。

後継者探しの方法

承継前に整えること

承継が決まってから慌てて整備すると、引継ぎが不完全になりがちです。後継者の候補が見つかった段階で、弁護士・税理士・社労士の専門家チームを早めに立ち上げましょう。

承継時の価値評価の考え方

診療所の価値評価は、不動産(土地・建物)と設備、患者数・診療実績に基づく「のれん」、雇用契約・リース契約などの負債を総合して行います。個人診療所の場合は資産・負債を個別に売買するため、設備の簿価と時価、リース契約の残期間、退職金債務などを正確に洗い出す必要があります。評価の方法(資産法・収益法など)によって価格は変わるため、医療M&Aに詳しい専門家へ依頼しましょう。売り手と買い手の期待値の差を埋めるには、第三者による公平な評価が役立ちます。

個人診療所の承継で必要な手続き

手続きの漏れは、承継後の診療継続に支障をきたすため、チェックリストで管理しましょう。

よくある質問

後継者が見つからない場合は?

M&A仲介会社への登録、医師会・大学医局への相談、診療所の売却、法人の合併、閉院(患者の転医先紹介を含む)などの選択肢を比較しましょう。後継者不在のまま時間が経つと、診療実績の低下で価値が下がります。

承継の時期はいつがよい?

診療実績が安定しているうちに計画を始めるのが基本です。承継には数か月〜1年以上かかるため、引退予定の3〜5年前から準備を始めるのがおすすめです。

医療法人の合併はどう進める?

医療法人の合併は、都道府県知事の認可が必要で、社員総会の決議・債権者保護の手続きなども発生します。法的手続きが多いため、医療法人の合併に経験のある弁護士・行政書士へ依頼しましょう。

まとめ

クリニックの事業承継・M&Aは、個人診療所と医療法人で方法が異なり、税務も一般企業と違う論点があります。価値評価から契約・行政手続きまで時間がかかるため、引退の3〜5年前から準備を始め、医療機関に詳しい専門家のサポートを受けましょう。後継者の候補が決まったら、早めに専門家チームを立ち上げて引継ぎの全体計画を作成することが、スムーズな承継の鍵です。まずは自院の形態と承継の目的を整理することから始めてください。

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