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クリニックの移転・分院開業ガイド — 手続きと計画のポイント

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クリニックを開業して経営が軌道に乗ると、次に「移転」や「分院開設」を検討する場面が出てきます。移転や分院は、新規開業と共通する部分も多い一方、既存の患者やスタッフへの影響を考慮する必要があります。

この記事では、クリニックの移転・分院開設を検討する際のポイントを、手続き・計画・既存患者への対応の観点から整理します。

移転・分院と新規開業の共通点

移転や分院開設では、新規開業と同じように、医療法に基づく開設(許可・届出)の手続きや、診療所の構造設備基準への適合が求められます。新しい場所の物件選び、内装工事、医療機器の導入、スタッフ採用も、新規開業と同様の検討が必要です。

東京都保健医療局など各自治体は、診療所の新規開設や移転等の手続きについて案内を出しています。移転の場合、開設の手続きに加えて、旧所在地の廃止や変更の手続きも必要になることがあります。

※手続きの詳細は診療科目・医療機関の形態・自治体によって異なります。計画の初期段階で管轄の保健所や都道府県に確認するのが確実です。

移転を検討するタイミング

移転を検討するきっかけには、次のようなものがあります。

移転は、一時的に診療を休止したり、患者が離れたりするリスクもあります。現在の患者数や収益が安定している状態で、余裕をもって計画できる時期を選ぶのがおすすめです。

分院開設の判断ポイント

分院開設は、移転と違い、現在の診療所を残したまま新しい場所に診療所を開設します。経営面では収入源が増える可能性がある一方、医師・スタッフ・設備の二重投資になります。

分院の計画は、本店の経営を安定させたうえで進めるのが基本です。診療所の管理者は原則として各診療所に置く必要がある点など、医療法上の要件も確認が必要です。

既存患者・スタッフへの対応

移転の場合は、患者に新しい場所を伝え、受診が途切れないようにする工夫が必要です。

移転後の患者の継続率は、周知の方法と移転時期の選び方に左右されます。診療圏が変わる場合は、新しい地域での集患活動も必要です。

移転・分院の資金計画と進め方

移転には、新物件の敷金・礼金・保証金、内装工事費、医療機器の移設費、引っ越し・広告費など、新規開業と同様の初期費用がかかります。分院開設の場合は、現在の診療所を維持したまま追加の投資が必要になるため、既存の収益で賄えるか、融資を利用するかの計画が重要です。

進め方のポイントは、次のとおりです。

移転・分院は、経営が安定してから計画的に進めるのが基本です。現状の診療所運営に余裕がないまま進めると、どちらの運営にも支障が出ることがあります。段階を踏んで、各段階で確認をしながら進めましょう。

移転・分院で失敗しやすい点

移転・分院の計画では、次のような失敗が起こりやすいことが知られています。

これらの失敗を避けるには、計画の各段階で「確認」と「周知」を挟むことが重要です。移転・分院は新規開業と比べて、既存の患者・スタッフ・取引先というステークホルダーが多いため、情報共有を早めに行うことが成功のカギになります。

移転の場合は、カルテ・診療記録・薬歴などの移行も計画に含めます。紙カルテと電子カルテの移行方法、保管期間、患者への説明資料の準備など、事務的な手続きも漏れやすい部分です。また、保険医療機関としての指定や、各種届出の変更手続きが必要になることもあるため、管轄に確認してチェックリスト化しておきましょう。

移転・分院の手続きや資金計画に不安がある場合は、行政書士・税理士・開業コンサルなど、専門家に相談する方法もあります。新規開業と異なる手続きが多い分野なので、経験のある支援者を選ぶことが、計画の精度を高めるポイントです。

まとめ

移転・分院開設は、新規開業と同じ手続きや設備投資が必要になる一方、既存の患者・スタッフへの影響という独自の検討項目があります。手続きの確認を早めに行い、経営と診療の両面で計画を立てましょう。

手続きの流れや開業スケジュールの考え方は、関連記事で確認できます。移転・分院を含む開業計画の進め方に不安がある場合は、開業コンサル診断で状況を整理してみてください。

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